パスポートとは 概要と歴史

パスポート(passport)とは旅券とも呼ばれています。パスポートは主に海外旅行をする際に使用する旅券で、政府またはそれに相当する公的機関が交付するもので、日本国外に渡航する人に国籍及びその他身分に関する事項に関して日本から証明を受けて、外国官憲に保護を依頼する公文書のことをいいます。

入管法第2条5号ではパスポートのことに関して下記の通り定めています。
(1)日本国政府、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した旅券又は難民旅行証明書その他当該旅券に代わる証明書(日本国領事館等の発行した渡航証明書を含む。)
(2)政令で定める地域の権限のある機関の機関の発行したイに掲げる文書に相当する文書


このようにパスポートは外国を旅行・滞在する場合もしくは国家間で移動する場合に必要なものであり、日本へ帰国できることを約束し、渡航先国の当局に対して入国・滞在についての安全などの便宜供与を要請する書類となります。またパスポートは、外国にて身分を証明する最も公的で通用度の高い身分証明書ですが、。実は日本国内においても身分証明書として利用されています。

パスポートの歴史は、初期のパスポートは現代のとは違って、査証のように所有者の身分・国籍を証明するものとして、どの国からも誰にも発給されるものでした。1920年代まではパスポートは一枚の紙面で、通常は一回の旅行用だけに発給されるもので、その後、国によってもさまざまな形態となって、法律で国内・海外を問わず自国のすべての旅行者にパスポートの取得を義務づける国があったり、パスポートに所有者の身体に関する記述をした国もあるそうです。日本においては、戦時中はすべての旅行者に「旅行許可証」が発給されました。また、日本最初のパスポートには、住所、氏名、年齢以外にも、今では信じられないとは思いますが、写真が普及していない時代ということもあって、目、鼻、口などの顔の特徴が明記されていました。